人の行動を理解するうえで、シンプルで使いやすい「ABCモデル」
組織の成果を出していくために、行動を変えてほしい人への接し方、伝え方を改善したいと思い、読んだ本。教え方、組織活性化のヒントが多い一冊だった。
この本で私が重要だと思ったキーワードや一節
- ABCモデルとは次の三要素からなる。
・先行条件(Antecedent)‥・行動のきっかけとなる目的、行動の直前の環境のこと
・行動(Behavior)‥・行為、発言、振る舞い
・結果(Consequence)‥・行動によってもたらされるもの、行動した直後に起きた環境の変化のこと
問題行動を変えようとするとき、ABCモデルによって現状を分析することが大変役に立つ(P113)- 望ましい結果が得られることを学習したとき、人は同じ行動を繰り返そうとするのだ(P120)
- 望ましい行動を繰り返させるために
行動を増やす――。行動を減らす――。
上司の選択肢はこの二つしかない。実行する上で重要なのは、いかにポジティブなリインフオースを与えていくか、いかに罰やペナルティを使わないようにするかである。(P141)
感じたこと、気付いたこと
ABCモデルは、人の行動を理解するうえで、シンプルで使いやすいと思う。先行条件に基づいて、最初の行動があり、その結果が次の先行条件になると考えると、なぜ人が行動が続かないのか理解できた。 行動を増やすか、減らすか、その選択肢しか上司にはないのだから、今問題と捉えている行動は、どういう先行条件で実施され、本人がどんな結果を得ているのか、この状況を把握できずに色々と対策を考えても効果的な対策が打てないのはそのとおりだと思う。
その上で、著者が考える「PST分析」の視点で考えると、解決の糸口が見つけられると理解した(もちろん、人なのでそう単純にはいかないが)。できない理由には「やる気がない」もあると考えるが、その「やる気」も結果から生まれるものだと思う。
また、できない理由は「やり方自体が分からない」「やり方は分かっているが継続できない」の2つとのこと。問題をシンプルに考えるため、著者が紹介する結果を出すための5つのステップ「ピンポイント」「メジャーメント」「フィードバック」「リインフオース」「評価」で、組織を変える方法を考えていきたい。