戦略は足し算では無く、掛け算から生まれる
神田昌典さんが書いた「実践的な経営戦略を解説した1冊」ということで、実務で使える戦略構築法を知りたいと思って読んだ本。「スター戦略構築法」という手法で、「商品」「顧客」「競合」「収益シミュレーション」「タイミング」「メッセージ」を一連の流れで考えることができ、実践的な戦略策定の参考になる本だと思う。
この本で私が重要だと思ったキーワードや一節
売れる仕組は、掛け算。足し算ではない(P41)
新規客に販売するコストは、既存客に販売するコストの40倍(P58)
戦略とは自社の強みをさらに伸ばし、そして事業環境の変化の流れに乗ることである(P201)
出典:「60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法」 神田 昌典 ダイヤモンド社 2002年12月07日
感じたこと、気付いたこと
上述のキーワード以外にも、ライフサイクルの考え方やニーズとウォンツの違いなど多くの学びがあり、複雑に考えがちなことを、シンプルに考える刺激が得られる本だった。 戦略を考えるうえで、何度も読みたい一冊。
自社の強みで勝負するからこそ、余分な戦い(取組)が不要になる。 掛け算が可能な仕組(システム)で考えるからこそ、余分な戦い(取組)が減り、効果的・効率的に改善が出来る。
「掛け算が可能な仕組」で考えるためには、目的や全体像を把握しておくことが必要だと思う。しかし、その把握が自分は不足していたと思う。
現状、ビジネスが大きくなっていないのは、足し算で考えた内容で、積み上げの余分な仕事が多いことが要因である。
また、既存客に販売するより、新規客に販売するコストが大きいことを再確認(40倍の根拠は、また考えたい)。 購入してもらえる信頼関係づくりのコストが大きい。 既存客には、自社の強みにつながる「自社を選んでもらった」という事実が存在するので、その確認を大事にしたい。