お客様に喜んでもらうこと。それは全ての人にではなく「特定の人に」でないと、中途半端で存在価値がなくなる。
「ドラッカーの教え」を実務で活かすイメージ、方法を知りたくて読んだ本。著者が言われる「成果を上げるための話し合いのツール」として13個のエクササイズがあり、組織内で自社の考えを整理するのに役立つ一冊だった。
この本で私が重要だと思ったキーワードや一節
- 一つ目は、仕事を通してお客様に喜んでもらうこと。2つ目は働く一人ひとりが働き甲斐をもって働けるようにすること。3つ目は、社会に悪い影響を与えないこと。人間は万能でないから、組織はこれを大前提にしなければなりません。(P54)
- どんなに優れた会社であったとしても、全ての人に全てを提供することなど出来ません。 できることは「特定のこと」を「特定の人に」提供することです。(P121)
- マネジメントとは、「人と社会のお役に立つこと」です。 ゆえに組織の目的は、「人と社会にお役に立つための目標を立て、それを達成すること」(P188)
出典:「なぜ、あのガムの包み紙は大きいのか ドラッカーに学ぶお客様を幸せにする会社の作り方 (角川フォレスタ)」 山下 淳一郎 (著) 角川学芸出版 (2012/12/8)
感じたこと、気付いたこと
組織のあり方を理解するうえで大事なポイントが、理解しやすい言葉で頭にイメージとして入ってくることができた。お客様に喜んでもらうこと。それは全ての人にではなく、「特定の人に」が大事だと再認識。つい、総花的に考えて、結局誰にも喜ばれない中途半端な対応になることを自戒したい。大手企業は「特定の人に」の規模が大きいビジネス、中小はそれと同じことをやっても成功できない。客数×単価で考えれば、「特定の人に」を絞るなら、単価(顧客にとっての価値)が高いことを、まず目指す方が良いと理解した。 そして、単にお客様に喜んでもらうことで、社会に悪い影響を与えるようなことは続かない。これらの点を押さえて、本質をとらえた思考をしていきたい。
また、13個のエクササイズは的確な質問で、自分たちの中にある「より良い答え」を引き出すときに役立つ。「私たちのミッションは何か」とそのチェック項目、「8つの領域で目標を決めていく」「まずはやらないことを決める」などは、目標設定時の参考にしたいと思う。