ビジネス書から学んだ価値ある一節

経営、ビジネスに関わることを中心に、ビジネス書から私が学んだ「重要だと思ったキーワードや一節」を最大3つまとめていきます

多様化しているからこそ、シンプルな法則で捉え、シンプルな言葉で伝えることが重要

グループウェア企業であり、イクメンや多様な働き方ができる会社の経営者が、どのような考え方で経営をされているのか関心を持ったので読んだ本。起業から上場、現在に至るまで、組織にどのような課題があり、何を考え乗り越えてきたのか、詳細に成功や失敗の分析がされている。多様性が重視される社会の中で、どのような経営が適しているのか、その原則を考えるヒントが得られる一冊だった。

この本で私が重要だと思ったキーワードや一節

  1. 人の行動はすべて「理想」によって引き出されている。現実に満足できず、理想を持ち、実現したいという欲望があるから人は課題に取り組む。(P52)
  2. 多様性を維持し向上させていくには、「公明正大」と自立が必要。うそをつかない事。人のせいにしないこと。(P95)
  3. 人が多様化すれば、解釈も多様化する。意見が噛み合わない状況はむしろ増えるだろう。 事実を共有できる会社にしなければ、議論のコストが上がってしまう。事実と解釈を区別して扱える会社にしよう(P100)

出典:「チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか」 青野 慶久 (著) ダイヤモンド社 (2015/12/18)

感じたこと、気付いたこと

目新しい知見というよりも、組織の成長の各段階でどのような経営の考え方が適しているのかの思考を深め、多様化を経営に活かすためのヒントが実践の中から参考にできる本だった。

「人の行動はすべて「理想」によって引き出されている。」という一節も決して目新しくはない。しかし、複雑に考えるのではなく、これを原則におくことの重要性と、深みを再確認できた。多様化しているからこそ、シンプルに考えるうえで大事なキーワード。

そして、多様性を維持・向上していく中では、「感謝」や「努力」、「協調」でもなく、「公明正大」と「自立」に絞り込まれている点に納得。

公明正大を実現するためにも(うそをつかないうえで)、「事実と解釈を区別して扱える会社にしよう」は重要だと思った。本人に自覚はなくとも解釈が入れば、誤った情報(嘘)として人に伝わる。事実と解釈を区別することは(私の場合は「事実と意見を区別する」と習ったが)、多様性を維持・向上していくうえで更に重要となっていると理解した。多様化しているからこそ、シンプルな法則で捉え、シンプルな言葉で伝えることの重要性を再認識した。

著者は、「私が使えなければ意味がない。私が日々判断し、行動していくときに使える等身大の法則を見つけ出さねばならない。(P50)」と語られている。問題に直面した時、情報を収集し、言葉の定義を行い、要素を分解して、シンプルな法則を見出して解決していく考え方で説明されているので、自社の参考にするうえでも何を適用するかの判断がしやすく、非常に役立つと思う。その他にも、チームとは何か、モチベーションとは何か、コンセプトとは何かなどもシンプルな定義で参考になった。

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか