ビジネス書から学んだ価値ある一節

経営、ビジネスに関わることを中心に、ビジネス書から私が学んだ「重要だと思ったキーワードや一節」を最大3つまとめていきます

脳が認める勉強法は、脳に負荷のかかる状態で記憶を検索すると良いみたい

学習に関する脳科学の全体像を理解したいと思い読んだ本。受験等に関する学習方法は本書最後のQ&Aに集約されているように思うが、広い意味で能力向上に関するヒントも多くあり、学習に関する研究の流れも理解できる一冊。

この本で私が重要だと思ったキーワードや一節

  1. 時間の経過に伴う記憶の性質は、減退に向かうだけでは無い。それとは別にもう一つあるのだ。その一つをバラードは「レミニセンス」と呼んだ。これは一種の成長で、覚えていると思っていなかった事実や言葉が浮かび上がってくる性質をさす。(P46)
  2. 「同じ内容の勉強を2回するとき、勉強する間隔を空けると2回目目の勉強が大変になると分かっているので、間隔をあけるのは非生産的だと考えてしまう」(中略)心理学者ネイト・コーネルは私に話した「だが事実はその反対だ。たとえつらいと感じても、間隔をあけたときの方が多くを学ぶ。流暢性が判断を迷わせるのだ」(P124)
  3. 脳は、基準となるものや特徴を保存すると、それらを使ってできるだけ大きなチャンク(情報のまとまり)を読み取ろうとするのだ(P275)

出典:「脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!」 ベネディクト・キャリー (著), 花塚 恵 (翻訳) ダイヤモンド社 (2015/12/11)

感じたこと、気付いたこと

エビングハウス忘却曲線は誤解をまねく曲線で、多くの人も勘違いして理解しているのでは? 分散学習の大事さなど、記憶の定着方法を伝える根拠に利用するには便利であり、一定の意味はあるが誤解していた。

勉強の2回目の間隔について、「たとえつらいと感じても、間隔をあけたときの方が多くを学ぶ」という理論があることも理解しておくべき。

記憶は、基準となるものや特徴を意識しながら覚え、脳に負荷のかかる状態で記憶を検索することが大事だと思った。

その他に、自己テストの効果や、脳科学からみた「目標を意識させることの意味」、「変化を取入れた練習の成果」といった能力向上に関するポイントが確認出来る本だった。

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!